惚れたら最後。
帰宅後、琥珀は玄関に立ち尽くしていた。
「私を、待ってた……?」
あの荒瀬絆がたった1人の女を4ヶ月も待っていた?
また現れるかも分からない女をひたすら?
「ありえない」とこぼした私は、ふらふらと子ども部屋の方に行った。
流星と星奈が寝ているのを確認し、とりあえず風呂に入ることにした。
「もしかして、あの時のこと覚えてた…?」
湯船に浸かりながら、ふと回想にふけった。
あれは夢にお願いされ、荒瀬絆が通う都内の私立中学校に潜入調査をした時のことだった。