惚れたら最後。







帰宅後、琥珀は玄関に立ち尽くしていた。



「私を、待ってた……?」



あの荒瀬絆がたった1人の女を4ヶ月も待っていた?

また現れるかも分からない女をひたすら?

「ありえない」とこぼした私は、ふらふらと子ども部屋の方に行った。

流星と星奈が寝ているのを確認し、とりあえず風呂に入ることにした。



「もしかして、あの時のこと覚えてた…?」



湯船に浸かりながら、ふと回想にふけった。

あれは夢にお願いされ、荒瀬絆が通う都内の私立中学校に潜入調査をした時のことだった。






< 35 / 312 >

この作品をシェア

pagetop