惚れたら最後。
chapter.2
若頭『白狼』
SIDE 絆
目が覚めたのは、仕事用のスマホから着信を知ら
せる音が鳴り響いた時だった。
起き上がると、隣に寝ていたはずの琥珀がいない。
琥珀が寝ていた部分のシーツはもう冷たかった。
どうしていない?一体どこへ……。
俺は混乱する頭を整理するため、鳴り続けるスマホの呼び出し音に一旦応じた。
「なんだ」
「なんだじゃねえし、何回かけたと思ってんだよ。
どーせまたどこの馬の骨とも分からない女とヤってたんだろ?
この女たらしが!顔がいいからって調子乗ってんじゃねえぞ!」
「チッ、寝起きがてめえの声だなんて気分最悪だ。とっとと要件言え」
電話の相手は実の弟、刹那だった。
俺は幼い頃から口達者でずけずけと物を言う弟が嫌いだ。
「父さんがお呼びだよ。梟が黒幕突き止めたってさ。
たまたま本部にいた剛さんが直々に迎えに行ってくれるらしいからそこで待っとけ」
「……」
「おい聞いてんのかクソ兄貴、仕事くらいちゃんとしろよこのボンボン。
お前のせいでこんな真夜中に関係ねえ俺まで巻き込まれ───」
いら立ちのあまりブチッ、と通話を切った。
俺は深くため息をつき、その辺に置いてあった服を手に取り支度を始めた。
目が覚めたのは、仕事用のスマホから着信を知ら
せる音が鳴り響いた時だった。
起き上がると、隣に寝ていたはずの琥珀がいない。
琥珀が寝ていた部分のシーツはもう冷たかった。
どうしていない?一体どこへ……。
俺は混乱する頭を整理するため、鳴り続けるスマホの呼び出し音に一旦応じた。
「なんだ」
「なんだじゃねえし、何回かけたと思ってんだよ。
どーせまたどこの馬の骨とも分からない女とヤってたんだろ?
この女たらしが!顔がいいからって調子乗ってんじゃねえぞ!」
「チッ、寝起きがてめえの声だなんて気分最悪だ。とっとと要件言え」
電話の相手は実の弟、刹那だった。
俺は幼い頃から口達者でずけずけと物を言う弟が嫌いだ。
「父さんがお呼びだよ。梟が黒幕突き止めたってさ。
たまたま本部にいた剛さんが直々に迎えに行ってくれるらしいからそこで待っとけ」
「……」
「おい聞いてんのかクソ兄貴、仕事くらいちゃんとしろよこのボンボン。
お前のせいでこんな真夜中に関係ねえ俺まで巻き込まれ───」
いら立ちのあまりブチッ、と通話を切った。
俺は深くため息をつき、その辺に置いてあった服を手に取り支度を始めた。