惚れたら最後。
空がだいぶ明るくなってきた。
中庭に面する廊下に立ち、大きく伸びをした。
「お兄ちゃん、おはよ」
ふと、中庭の中心部から澄んだ綺麗な声がする。
「永遠……どうしたこんな朝早くから」
「ノワールがね、朝から散歩したいって鳴くから連れてきちゃった」
そう言って足元でじゃれていた黒猫を抱きかかえる妹。
荒瀬家の長女である永遠は今年で17歳の女子高生だ。
艶やかな黒髪を肩まで伸ばし、高校の制服をきちんと着ている様は見た感じいいとこのお嬢様のような印象を受ける。
愛猫を抱き、笑顔を向けるその顔は、祖母の若い頃によく似ていると言われていた。
つまり美人であることに間違いない。
「お兄ちゃんこそ、こんな時間までお仕事だったの?」
「ああ」
「これからどこ行くの?時間があるなら一緒に朝ごはん食べよ」
「……永遠が作った朝飯か?」
「失礼だなぁ、そんな顔しないでよ。
今日はお母さんが作ったご飯だよ」
永遠が作ったものではないと聞いてひと安心した絆は、妹と他愛のない話をしながら離れに入った。
中庭に面する廊下に立ち、大きく伸びをした。
「お兄ちゃん、おはよ」
ふと、中庭の中心部から澄んだ綺麗な声がする。
「永遠……どうしたこんな朝早くから」
「ノワールがね、朝から散歩したいって鳴くから連れてきちゃった」
そう言って足元でじゃれていた黒猫を抱きかかえる妹。
荒瀬家の長女である永遠は今年で17歳の女子高生だ。
艶やかな黒髪を肩まで伸ばし、高校の制服をきちんと着ている様は見た感じいいとこのお嬢様のような印象を受ける。
愛猫を抱き、笑顔を向けるその顔は、祖母の若い頃によく似ていると言われていた。
つまり美人であることに間違いない。
「お兄ちゃんこそ、こんな時間までお仕事だったの?」
「ああ」
「これからどこ行くの?時間があるなら一緒に朝ごはん食べよ」
「……永遠が作った朝飯か?」
「失礼だなぁ、そんな顔しないでよ。
今日はお母さんが作ったご飯だよ」
永遠が作ったものではないと聞いてひと安心した絆は、妹と他愛のない話をしながら離れに入った。