×secret!×
うん。ちょっとだけ、分かったぜ、沙絵。
やっぱりあんたは妙に鋭いよ。
そしてあたしは妙に鈍いんだね。
気付かせてくれてありがとうよ、沙絵!
「そっか5月15日!
そーいや近いね。綾乃は何かあげんの?」
「あげないよ、そんなの。このクラス、男女仲良いけどさ…あげるとしたら、よっぽど好きな子くらいじゃないの?楠木のこと。」
そう言ってから、何故だか、妙にこっ恥ずかしい気持ちになるから、
何かが何処かにつっかえたような気分になった。
「それにしても春生まれなんだね。またしても意外だ」
あたしのこの気分を知ってか知らずか、沙絵はそう呟く。
「だねー
見た目、冬っぽいのに。」
「でも綾乃は冬生まれだよね?」
「うん。らしくないって言われるけど」
「そうかなあ…綾乃は冬っぽいと思うけどな」
「…へぇ、初めて言われた。」