君をトリコにする方法
君の恋人になる方法
「おい、いい加減起きろ」


チュンチュンとスズメが鳴く爽やかな朝。

だけどそれに似つかわしくない冷たい声が聞こえる。


「……んん、むり、ねむい」


だって昨日ちょっと寝るの遅かったし……


寝ぼけながら言葉を返すと、ぬくぬくと温かい布団をバサッと剥がされた。


「ぎゃーっ!何するの!」


一気に目が覚めてしまい、もっと優しく起こしてとお願いするためベッドから起き上がる。


だけど、すぐそばに立っている人物を見てまた驚かされた。



「ぎゃーっ!何で(しゅん)がいるの!?」



思わずさっきよりも声を上げると、「朝からうるさい」と頭をポカンと叩かれる。



ちょっと!地味に痛いんですけど!



叩かれたところをさすりながらキッと睨む。


だけど瞬は痛くも痒くもないみたいで、呆れた表情をしてため息をつく。



「母さんがおばさんに届け物してほしいって言うから来ただけ。そしたらお前がまだ寝てるって言うから」



あー、なるほど……

それでママに頼まれて、代わりに起こしに来てくれた訳ですか……


「どーもありがとう!」


少し不貞腐れながらお礼を言う。


起こしてもらえるのはありがたいし嬉しいけれど……

私たちはもう子どもじゃない。

部屋に入られて寝顔まで見られるなんて……
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