君をトリコにする方法
「ありがとう、こうちゃん」



お礼を言うと「いいっていいって!」と陽気に笑う。


こうちゃんは中学生のときからクラスのムードメーカーだったけど、きっと今でも変わらないんだろうな。


気を遣ってくれているとわかるのに、それさえも気にさせないほど眩しい。


この明るさに救われている人は、私だけじゃなくてもっとたくさんいるんだろう。


そんなことを頭の片隅で考えながら雑談していると、こうちゃんが「あ、そういえばさ」と話を切り出す。



「幼なじみクンとは変わらず仲いいの?えっと、日高……だったっけ?」



まさか瞬の話題になるとは思わずドキッとする。


これはどう答えたらいいんだろう……

付き合ってるし、仲はいいはず……

だけど今は私が一方的に避けちゃってるし……


うーんと考えていると、こうちゃんは何かを察したのか、なるほどといった表情で頷く。



「もしかして喧嘩した?」

「えっ……えー、ええと……」



喧嘩……とはまた違う気がする。


いや、ちょっとごたごたしてるし、喧嘩っちゃ喧嘩に入るのかな……
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