君をトリコにする方法
♢
モヤモヤしたまま授業を受け、あっという間に放課後になる。
彼氏と一緒に帰る澪と、美味しいケーキ屋さんに寄るらしい優愛ちゃんにバイバイすると、
「ひとりで帰んの?」
と瞬に声をかけられた。
「うん、瞬は?」
「俺もひとり。早く帰ろ」
当たり前かのようにそう言われて胸がドキッとする。
「仕方ないなあ、ぼっち同士一緒に帰りますか!」
「別にぼっちじゃねえし」
「またまたあ、寂しいくせに~」
嬉しくてドキドキする鼓動を抑えるように、言葉を紡いでいく。
ふたりで校門をくぐろうとしたとき、女の子の声が後ろから聞こえた。
「あのっ、日高くん!」
苗字を呼ばれた瞬と、隣にいた私も声の方へと思わず振り返る。
髪の毛がふわふわな、かわいらしい女の子が顔を赤くして立っていた。
確か、隣のクラスの子だ。
「あの、その……このまえの、返事のことでっ……」
返事?
小さい声だけれど聞こえた。
一体何のことだろうと思っていると、
「ごめん」
となんだかんだ優しい瞬にしては冷たい声で言い放った。
「あ……えっと……」
女の子は俯いて悲しそうにプルプルと震える。
返事、ごめん。
このふたつの単語で何のことかはすぐに理解できてしまった。
瞬はモテるし、そういう噂もよく聞く。
だからといって、こうして目の前でやり取りを見るのは初めてだけど……
モヤモヤしたまま授業を受け、あっという間に放課後になる。
彼氏と一緒に帰る澪と、美味しいケーキ屋さんに寄るらしい優愛ちゃんにバイバイすると、
「ひとりで帰んの?」
と瞬に声をかけられた。
「うん、瞬は?」
「俺もひとり。早く帰ろ」
当たり前かのようにそう言われて胸がドキッとする。
「仕方ないなあ、ぼっち同士一緒に帰りますか!」
「別にぼっちじゃねえし」
「またまたあ、寂しいくせに~」
嬉しくてドキドキする鼓動を抑えるように、言葉を紡いでいく。
ふたりで校門をくぐろうとしたとき、女の子の声が後ろから聞こえた。
「あのっ、日高くん!」
苗字を呼ばれた瞬と、隣にいた私も声の方へと思わず振り返る。
髪の毛がふわふわな、かわいらしい女の子が顔を赤くして立っていた。
確か、隣のクラスの子だ。
「あの、その……このまえの、返事のことでっ……」
返事?
小さい声だけれど聞こえた。
一体何のことだろうと思っていると、
「ごめん」
となんだかんだ優しい瞬にしては冷たい声で言い放った。
「あ……えっと……」
女の子は俯いて悲しそうにプルプルと震える。
返事、ごめん。
このふたつの単語で何のことかはすぐに理解できてしまった。
瞬はモテるし、そういう噂もよく聞く。
だからといって、こうして目の前でやり取りを見るのは初めてだけど……