君をトリコにする方法
「あ……」



見つけてしまった。

目が合ってしまった。


私の反応を見てこうちゃんも気になったのか、視線が同じところへと動く。


そこには瞬がいた。

私と同じく、学校帰りであろう瞬が。


驚いて2秒くらい固まってしまった、だけど。



「ちがう!」



すぐに声をあげた。


だって瞬が、見たこともないような切ない表情をしてたから。


何に対して否定したのかは自分でもよくわかってない。


だけど否定しないとって、言い訳がましく思ってしまったから。


でも瞬は私の声に反応せず、すぐにスタスタと歩いて行ってしまう。



追いかけないと……!


でも追いかけて、そのあとちゃんと話せるの私……?



迷って足がすくんでいると、その一部始終を見ていたこうちゃんが優しく問いかけてくる。
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