君をトリコにする方法



「瞬っ、お願い待って!」

「……」



こうちゃんと別れてからすぐに走って追いかけたけど、リーチの違いとか、体力の違いで全然追いつけない。


それでも瞬が走って逃げないおかげで見失うことはなく、追いつけないギリギリの距離を保たれていた。


本気でやろうと思えば、私なんかすぐに振り切れるはず。


それをしないのは瞬の優しさだ。



「ねえお願い!話聞いて!」



とは言っても、瞬の機嫌は今までに見たことないくらい悪い。


何度話しかけても無視されるし、振り返ることもない。


このままじゃずっと平行線だ。


いったいどうしたらいいのか考えていると、それは突然あっさりと終わる。
< 113 / 189 >

この作品をシェア

pagetop