君をトリコにする方法
……私たちの家に着いちゃった。


瞬はドアを開けて、そのまま家に入ろうとする。



「待って瞬!」



すんでのところで制服を掴んで止める。

すると瞬が振り返って、やっと目が合う。



「……何、言い訳でもしに来たの」

「っ……うん、だって私、まだ瞬と別れたくない」



素直な気持ちを伝えると、瞬は目を見開いた。


だけどすぐに眉をひそめて、怒った表情に変わる。


そして思いっきり腕を引っ張られた。



「えっ!?ちょ、ちょっと瞬!」



抵抗しようとしても圧倒的な力の差のせいで全くできない。


瞬は私の腕を掴んだままスタスタと家の中に入っていく。


私は早々に諦めて、急いで靴を脱ぎ、瞬に引っ張られるままついて行った。
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