君をトリコにする方法
瞬のママはまだ帰って来てないのか家の中は静かで、そんな中乱暴にドアを閉める音が響く。


瞬の部屋の中に入ると、掴んでいた腕を離してくれた。



「あの、瞬――」


「彼氏のことは避けておいて、他の男とは一緒に過ごすのかよ?」


「っ……」


「んで、別れたくないとか言うのずるいだろ……俺が話したくて声かけてもずっと避けてたくせに」



瞬が怒るのも当然だ。

またやってしまった。

自分のために行動して、瞬を傷つけてしまった。



「……うん、ごめんなさい」



謝ると、頭上から「はあ~~……」と大きくて長いため息が聞こえた。



「……それで、なんで岸とふたりで会ってたわけ」


「……帰り道で偶然会って話してたの」


「ふーん」


「ほ、ほんとだよ!?」


「……別に疑ってないけど。楽しそうに話してたなって思ってただけ」


「え、ええ……そんなことない、と思う、けど……」
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