君をトリコにする方法



次の日。


今日は瞬が私の家に来て、一緒に朝ごはんを食べた。


そしていつものように登校する。


前まで当たり前だったことが、今ではこんなに嬉しい。


教室の前まで来ると、瞬が少し小声で話しかけてきた。



「なあ、ほんとにいいんだな?」



それだけだったけど、何について聞かれているかはすぐにわかった。



「うん、ほんとにいいよ。私も澪たちに話すし!」



にこっと笑うと、瞬も安心したように微笑む。


教室に入って「おはよう!」とみんなに挨拶し、いつものように澪と優愛ちゃんのところまで歩み寄った。


澪たちにも挨拶したあと、いつ話そうか考えながら雑談する。


すると澪が真剣な、でも朗らかな表情で「あのさ」と切り出す。



「瑞稀と仲直りした。ほんとありがとね、ふたりとも」



澪の口からそう聞いて、優愛ちゃんと顔を見合わせた。


そして次の瞬間に笑みがこぼれる。



「えーっ!ほんと!?よかったね、澪!」


「澪ちゃんたち、ちゃんと話せたんだね!ふふ、嬉しい!」



ふたりでキャッキャッとはしゃいでいると、澪は恥ずかしくなったのか顔を赤くして抗議してくる。
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