君をトリコにする方法
「その……ちょっと前から、瞬と付き合ってるの」



や、やっと言えた……!


話せて嬉しいけど、やっぱりふたりがどんな反応をするのか不安になってチラっと見る。


澪も優愛ちゃんも驚いた顔をしていた。

だけどそれは一瞬で、すぐに笑顔に変わる。



「ま、付き合っててもおかしくないって思ってたけど、本当にそうだって話されると感慨深いものがあるね」


「うんうんっ!ふたりが付き合ってるって聞けて嬉しい!」



にこにこと笑って喜んでくれるふたりを見てほっとし、涙が出てしまいそうだった。


ふたりなら絶対喜んでくれる。


そうは思っていたけど、どうしても不安な気持ちは消えなかったから。



「うえ~、そう言ってもらえてよかったあ……」



思わずそうこぼすと、ふたりは笑いながら、背中をさすったり手を握って安心させてくれる。



「もう……そんな不安がらなくても大丈夫よ」

「希帆ちゃん、泣かないで~」


まだギリギリ泣いてないのに、優しい言葉をかけてくれるから決壊してしまいそう。


温かくてじーんとしてると、優愛ちゃんが突然目をキラキラさせ始めた。



「ねえ希帆ちゃん!ちょっと前からっていつから付き合ってるの?告白はどっちから?たくさんお話聞きたいなあ~」


「えっ!?あ、ええと……!じゅ、順番に話すね……!」



優愛ちゃんのかわいさと勢いに押されて、たじたじになってしまう。


確かに恋バナはたくさんしたいんだけど、いざ話すとなるとやっぱりちょっと恥ずかしいかも……!
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