君をトリコにする方法
君と勉強する方法
「あっつ!テスト勉強に集中できないのは気温のせいだわ」



澪は文句を言いながら、下敷きを扇子代わりにぱたぱたを振る。


期末テストと夏休みが迫る今日。


あれから特に大きなトラブルもなく瞬と付き合えてる私には、悩み事がふたつあった。



「あの、ふたりに折り入って相談なんですが……勉強を教えてください!」



澪と優愛ちゃんにぺこりと頭を下げる。


悩み事のひとつめは、もうそこまできてる期末テストについて。



「いいけど……あたし人に上手く教えられるほど勉強得意じゃないしな。頭がいいといえば、優愛とか……ていうかあんた彼氏がいんじゃん」



じろりと見られてぎくっとする。



「瞬とは……夜ご飯のときとか、いつでも会えるし……」



目線をそらすと、「はーん」と楽しそうな声に変わった。



「なるほどね~?つまり毎晩会ってるんだ?それで今日も約束してるの?」



からかうように聞かれて顔が赤くなる。


た、たしかに会ってるけど……!

約束してるけど……!
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