君をトリコにする方法
ぶんぶんと首を横に振って意思表示をしてると、「あ、そうだ!」と優愛ちゃんが声をあげる。



「夏祭りに一緒に行って、かわいい浴衣とか着てみたらいいんじゃないかな?」


「それだー!」



優愛ちゃんの提案にビビッときた。


瞬と一緒にいられるし、楽しめるし、幼なじみとはいえどいつもとは違う一面が見せられるのでは!?


そしてなにより、それなら私でもできそうなところがいい!



「ありがとう優愛ちゃん!私頑張るね!」

「うんっ!応援してるね希帆ちゃん!」



にこにこと笑う優愛ちゃんと、ぶんぶんと手を振りながら握手する。


すると澪がふふっと微笑んだ。



「じゃあ優愛は、あたしとふたりで行こうね」

「澪ちゃんも吉川くんと行っていいんだよ~」



ふたりの会話を聞いて、瞬と行くならふたりとは行けないのかと気づく。


いやでも、夏祭りはいろんなところでしてるし、瞬と行くのとは別にふたりとも行きたいな。


そんなことを考えていると――



「そうだよ、優愛ちゃんとは僕が一緒に行くから」



予想外の人物が教室に入ってきた。
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