君をトリコにする方法
「なんだ、起きんのかよ」


「起きます起きます!起こしてくれてありがと!それじゃ着替えるから、ね!」



部屋から出て行ってほしいと遠回しに訴える。

だけど瞬は素直に従ってくれず、腰を曲げて顔と顔との距離を近づけた。



「おはよ。遅くまで勉強お疲れ様」



優しい言葉とともに口づけられる。


私にとっては朝から刺激が強すぎて、もう一度布団に倒れこみたい気分だ。



「お、おはよう……じゃなくて、もっと普通に起こしてよ!」


「なんで?ぱっちり目が覚めただろ」



くすくすと笑う瞬。


私が言いたいことわかってるはずなのに……!

朝から心停止してもいいってことですか!?


ひとりで考えていると、瞬は「それじゃ待ってるから。早く来いよ」と言って部屋を出て行った。



「もー……」



唸りながらベッドから出る。


テスト中にこのこと思い出しちゃったらどうしよう……


まだ心臓がドキドキしているのを感じながら着替えた。
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