君をトリコにする方法



りんご飴を味わって食べたあと。

私たちはヨーヨー釣りの屋台に来ていた。



「ひとり200円ね!」



元気なおじいちゃんにお金を払い、ヨーヨーを釣るためのこよりをもらう。


浴衣が濡れてしまわないように、袖をぎゅっとまくる。



「よーし、たくさん釣り上げるぞー」



気合満タンでヨーヨーを狙う。

こよりが水に濡れないように慎重に……


集中してひっかけようと思うけど上手くいかない。

それでもやっと上手くできたと思ったら――



「あーっ!」



こよりがブチっと切れてしまった。

うそでしょ!

いっこも取れてないのに!



「ド下手」



隣にいた瞬が声を出して笑う。

確かにその通りだけど、失礼だな!



「それなら瞬が見本みせてよ!」

「いーけど」



そう返事をすると、すぐにヨーヨーを釣り上げた。



「えっ」



な、なんで?

なんかめっちゃ上手くない?


私が驚いてる間に、ぽんぽんと釣り上げていく。
そうして4個取ったあと、瞬のこよりがちぎれた。
< 179 / 189 >

この作品をシェア

pagetop