君をトリコにする方法
「兄ちゃん上手いなあ。どれかひとつ好きなの持ってってええぞー」


「ありがとうございます。希帆、どれがいい?」


「え、いいの?」


「ん」


「わあーっ、ありがとう!それじゃあ……」



瞬の言葉に甘えて、どれにしようか悩む。

どれもカラフルでかわいいけど……



「これでお願いします!」

「はいよー」



私が選んだのは黄色のヨーヨー。

浴衣の色にも合うかなと思って、それを選んだ。



「黄色って希帆に似合うよな」

「え、ほんと?嬉しいなあ」



ヨーヨーをぽよんぽよんと手のひらで跳ね返して遊ぶ。


夏の思い出の品、もらっちゃったなあ~。



「ふふ。瞬、ほんとにありがとね!」

「どーいたしまして」



にこっと優し気に笑う瞬に胸がドキドキする。

ちらっと時計を見ると、決戦の時間が近づいてきていた。


わ、どうしよう……

すっごい緊張してきた……


前のときは勢いで言ったからとはいえ、全然だったのに。


気持ちを自覚するだけで、まさかこんなにも変わるなんて。



「……ふう」


瞬にバレないように、小さく息を吐く。


……うん、大丈夫。

この気持ちはちゃんと伝えなきゃって思うから。
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