君をトリコにする方法
「えっ、な、なに……!?」

「あー、いや、なんでもない」



まさか見られていたとは思わなくてびっくりする。

瞬は少し気まずそうに目をそらした。


でもそれは少し面白くなくて、くいくいと服を引っ張る。



「え、なに」

「だって瞬が目そらすから」



正直に話すと、少し困った顔をした。



「……仕方ないだろ。花火見てる顔に見惚れるとか……あー、あといろいろ考えて、けっこう重症だなって思ってたんだよ」


「えっ!?」



今なんか、さらりとすごいこと言った!

そんなの言われたらきゅんときてしまう。

今日は私が少しでもきゅんとさせたいのに!


そう思っていると、ぎゅっと手を握られた。

暑いのに離したくない。


胸がぎゅーっと締め付けられて、ぽかぽかと温まる。
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