君をトリコにする方法



瞬の家につくと、ガチャン!と大きな音をたてて扉が閉まる。


ひとことも話さず瞬の部屋へと連れられた。



「ねえ……っんん!」



声をかけようと口を開くと、性急な様子でキスされる。


いつもみたいに優しくない、あのときみたいな噛みつくキス。


一気に体が熱くなるのがわかって恥ずかしい。

それでも拒むことなんてもちろんできなくて、少しでも答えようと瞬の服をつかむ。



「……は、んぅ……」



何度も何度もキスが降ってくる。

こんなに長くキスしたことなんてなくて、力が入らなくなってきた。


それでもキスをやめたくなくて頑張るけど――



「ん、はぁ……わっ!」



とうとう腰が抜けてしまった。

瞬が慌てて支えてくれる。



「わり、大丈夫か?」

「う、うん……ごめんね」



場の空気壊しちゃったかも……


勝手に気まずくなっていると、瞬がまたキスしてきた。



「えっ、ま、まだするの!?」

「うん。止められるわけねーだろ」



そう言う瞬の目がギラギラと熱っぽくて、心臓が痛いくらいにドキドキする。


目が合うだけで苦しいのに、そらすことなんてできない。


じっと見つめていると、瞬の右手が後ろにまわる。


そしてすぐにお腹の締め付けが緩くなった。



「えっ」



もしかしてと思って振り返ると、ほどかれた帯がふわりと床に落ちる。
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