君をトリコにする方法



「はああ~っ、よかったあ!」



安心して大きく息を吐くと、隣を歩いている瞬が呆れた顔をする。



「痛めてることには変わりないんだから、激しい運動とかするなよ」


「はーい!」



にこにこと返事すると、瞬は「ほんとにわかってんのか?」とため息をつく。



病院に行って診察してもらった結果、靱帯が少し傷ついている程度だった。


とんでもないことになってたらどうしようと少し不安だったけれど、全部吹き飛んだ。


怪我をしたのも久しぶりだったし、ちょっと痛みに過敏になりすぎてたのかな?



とにかく大丈夫でよかったあー!



「ふふん、ふふんっ……わ!?」



嬉しくて思わずスキップしようとしたとき、ぎゅっと右手を握られた。


びっくりして瞬の方を見ると、指が絡んで恋人つなぎへと変わる。
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