君をトリコにする方法



リビングに行くと、ママと瞬が話しているところだった。


「おはよう!」と声をかけると、ママは笑顔でおはようと返してくれる。


だけど私に近づいて、


「希帆、よく眠るのはいいことだけど、もう高校2年生なんだからそろそろ自分で起きられるようにしないとね」


と優しく諭すように言った。


ママはすごく優しいけれど、怒らせたら一番怖い。



「はあ~い……」



素直に返事をして、朝ご飯を食べるために席に着いた。


すると瞬も当たり前のように私の向かい側の席に座る。



「えっ、もしかして今日も瞬と一緒にご飯食べるの?」


「そうよ~。朝の忙しい時間に届け物してくれて、希帆のことも起こしてくれたんだもの。お礼に食べて行ってねって」


「そういうこと」



そういうことって……
それってほとんどいつもじゃん!


もしやこいつ、ママのご飯が美味しいからって狙って来てるな!?


まあそりゃ、ママの作るご飯はすごく美味しいからね、仕方ないけどね!?



「なにその顔、ブサイク」

「はあ~っ!?だいたい瞬が……」



文句を言ってやろうとした瞬間、目の前のテーブルに朝ご飯が載ったお皿をコツンとママが置いた。
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