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「……ふ、ふふ、なにそれ!」



瞬と付き合い始めて初めての土曜日。


私は瞬の部屋で漫画を借りて、ゆっくりとした休日を過ごしていた。



「なにひとりで笑ってんの」


「ひとりじゃないよ、漫画のキャラと一緒に笑ってるから」


「あーそうですか」



それだけ言うと、瞬はすぐにゲームを再開する。



あー、いいなあこの感じ。



いつものように部屋に招かれたとき、最近よくドキドキさせられてるから大丈夫かなって心配したけど、今のところ何もない。


変に気を遣うこともなく、ただ穏やかに時間が過ぎていく。


私はずっと昔から、瞬とこうして過ごす時間がだいすきだったりする。



「……ふー、読み終わったー!」



30分くらいたってやっと漫画を読み終えた。


瞬のオススメだから読んでみたけど、想像の10倍くらい面白かったなあ。



「ねえ瞬――」



感想を伝えようと、瞬が寝転んでいたソファーの方へ振り向く。


するとソファーを独り占めしていた部屋の主は、すやすやと眠っていた。


瞬の寝顔!レアだ!

疲れてたのかな。

……あ、でもゲームはきっちり終わらせてる。
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