君をトリコにする方法
「お、起こしてごめん!もうしないから怒らないでよ~っ!」



必死に謝ると、瞬は眉間にしわを寄せてため息をつく。



「怒ってるんじゃない。むやみに誘うなって言ってんの」


「なっ……!?なななななに言ってるの瞬!」



ぼん!と顔が熱くなって、心臓がバクバクと動く。



だって、だってだって……!

瞬が変なこと言うから!


誘ってないし、そんなことするわけないし、瞬が勝手に勘違いしてるだけだし!



頭の中に言いたいことはたくさん浮かぶのに、なにひとつ声にならない。


瞬はそんな私を黙って見つめたあと、ソファーから体を起こした。


空いたスペースに座るように手を引っ張られて、そのままちょこんと瞬の隣に座る。



「希帆さ、付き合うって意味わかってる?ちゃんとわかって俺に告白した?」



いつになく真面目な顔でそう言われて、目を合わせることができない。



だって告白したときなんてほとんど勢いだったし……



瞬のそばに変わらずいられる方法なんじゃないかって考えてたけど、そのほかのことはほとんど何も考えてなかった。



「え、えーっと……ちゃんとは考えてなかった、です。ゴメンナサイ……」


「はー……そんなことだろうと思った」



呆れた声で言われて、さすがに嫌われてしまったかと背筋が寒くなる。


うつむいて、膝においてる手をぎゅっと握りしめた。


すると「希帆」と優しく名前を呼ばれる。
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