君をトリコにする方法

「あ、えっととにかく、私は全然優しくないって言いたいっていうか……」


「ええ～？立本さん謙虚だねえ。いいの！私が優しいって思ったんだから優しいの！」



ね？と綺麗な顔で微笑まれて、思わずはいとうなずいてしまう。


それを見た水野さんは、私の手をぎゅっと握る。



「もう～！すっごくいい子だね！」

「え、あ、ありがとう……？」



こういう風に言ってくれる水野さんこそがいい子なのだと思うけど……


彼女がすごく嬉しそうだからいっか。

と思っていると、水野さんの表情が一瞬曇る。



「あのね、立本さん。私が話したいって思ったから話すんだけどね」


「え？うん」



彼女の声が固くなってまた緊張が走る。



「あの噂ね、嘘なんだけどちょっとだけ本当のところがあるの」


「え？」



あまりいい予感はしなくて肩に力が入る。