君をトリコにする方法
「あ、それ、私のクッキー!」



瞬が持ってくれているノートに乗っかったまんまのクッキーを凝視する。



「ああ、はいはい」



クッキーに興味はないのか、適当に返事をして私の方へと置いてくれた。



「食い意地すげーな」



と思ったら余計なひとことも返ってきた。



「いいよなんとでも言いなよ。私にはこのクッキーがあるんだから」



ふんっと早歩きで階段を上り、目的地を目指す。


それなのに瞬は余裕で私についてくる。


な、なんか敗北感……!



悔しい思いをしたところで準備室に着いた。


鍵は開いてるって言ってたな。


よいしょと扉に手をかけようとすると、瞬が先に開けてくれた。



「わ、ありがとう」

「ん。机に置いといたらいい?」

「うん!ありがとう!」



よっこいしょとノートを置く。

これでミッションはクリアだ。



「じゃ、教室に戻るか」

「そうだね。あ、瞬」



踵を返す瞬を呼び止める。
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