君をトリコにする方法
「はいあげ、る……ひゃっ!?」



思わずすっとんきょうな声をあげてしまう。


だって瞬が私の腕を掴んで、クッキーを持っていた私の指ごと口に入れたから。


心臓が大きくドキッと音をたてる。


し、しまった……!


幼なじみである瞬の行動は予想できても、恋人である瞬の行動はさすがにまだ予想なんてできない。


そ、早急にアップデートが必要ですーっ!



「ちょ、ちょっと瞬っ!」



手を引こうとしても腕を掴まれていてできない。


それどころかぺろっと指を舐められて体が熱くなる。


このままじゃドキドキで倒れそうだと思ったとき、瞬はやっと私を離してくれた。



「俺の勝ちだな」


「しょ、勝負なんてしてないじゃん!」


「はあ?お前さっき勝ったって顔してたのわかってるからな」


「うっ、それは……」



た、確かに勝ったって思ったけど……!

勝手に勝負してたのは私だけど……!



「そ、それでもずるいよ!あ、あんなことするなんて……っ」



まだ指が熱を持ってる。


舐められた感触がはなれてくれなくて、ずっと心臓がドキドキしてる。
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