君をトリコにする方法



「おはよう!」



教室に着くなり元気に挨拶すると、クラスのみんなが返してくれる。


自分の席に座ると、後から入ってきた瞬も自分の席に着くのが見えた。


筆箱やら教科書やらを準備していると、すぐに友達の女子ふたりが来てくれる。



「おはよう希帆。今日も幼馴染くんと一緒に来たの?」


「希帆ちゃんおはよう!やっぱり仲がいいんだねえ」



からかうように声をかけてきたのは、中川澪(なかがわみお)


黒髪ストレートに綺麗な顔とメイク。


見た目は清楚だけれど、中身は割とサバサバしていてがさつなところもある。


そんなギャップ萌えな友達と。



おっとりふわあっとしているのは、神楽優愛(かぐらゆあ)ちゃん。


全体の色素が薄くて柔らかい印象があるのと、ツインテールがガチで似合うかわいい顔をしてる。


期待を裏切らないどこか天然なお友達。



「ふたりともおはよう!いつも言ってるけど、瞬とは家が隣だから道のりも同じで……」


「だから一緒に登校してるだけ、ね。そうには思えないけどね~」


「ふふ、うん。ふたりが付き合ってても驚かないよ」



呆れた表情の澪と、にこにこ笑顔な優愛ちゃん。


毎日毎回違うと否定しているけれど、この話題がなくなることはない。


小さい頃から周りに何百回とされたこの話。


今までは本当にそういうのじゃないから迷惑なだけだったけれど、今は違う。
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