君をトリコにする方法
「ね、ねえ瞬っ!」

「なに?」

「なにって、それは私のセリフっていうか……!」



コツン――


とうとう背中が壁に当たってしまった。

と気づいた瞬間、ちゅっと優しく口づけられる。


触れただけで本当に一瞬だったけど、私の脈はどんどん速くなっていく。



「しゅ、瞬っ!ここ学校だよ……!」

「んー」



んーって、返事する気ないじゃん!


心の中でツッコんでいる間に、瞬は私の耳にもキスをする。


耳元でリップ音が鳴って、また体温が上がっていく。



「ま、まって……!」



声をあげるけど瞬は止まってくれない。


それどころか首筋にも唇が触れてビクッと反応してしまう。


なんでだろう、耳よりもずっとぞわぞわする……!



「しゅ、しゅんっ、まって、首やだ」



そう言うと、瞬はやっと私の体から唇を離してくれた。



「希帆、目潤んでる」



くすっと笑う瞬は余裕そうだ。

手で優しく目元を撫でられる。
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