君をトリコにする方法
「えっ、な、なに!?」

「はああー……勘弁してくれ」



すっごく大きなため息だった。

吐き切るとぱちっと目が合う。



「希帆、そういうところだから」

「え?な、なにが?」

「そういうこと言われるとキスしたくなる」

「えっ!?」



ドキッと胸が鳴る。


瞬の顔はいつもみたいに余裕そうなものじゃなく、少し苦しそうだった。



「じゅーぶんドキドキしてるから」

「えっそうなの!?そんな風に見えないけど……」



そういう風に見えたのは、ファーストキスのときだけだ。


あのときは耳も赤かった。

だけど最近はそんなの全くない。


瞬は初めてだというけれど、同じく初めてだった私よりも断然慣れてる。


何度されても慣れなくてあわあわしてるのは私だけだ。
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