君をトリコにする方法
え?

逆にびっくりしていると、耳元でそっと囁かれる。



「バレたくないならキスして」

「えっ……!?」



き、キス……!?

いやなんで!?

散々ちゅっちゅっしたじゃん!


そんな私の考えていることがわかったのか、瞬は艶やかに笑う。



「希帆からしてくれたらやめる」

「なっ……」



そ、そうきたか……

今までキスは全部瞬からだった。

私からはしたことがない。


理由は、キスしたいなんて思う前に瞬からされてるから。


あとはやっぱり単純に……恥ずかしい!

わああ!どうしよう!


動けずにいると耳元で瞬がクスっと笑う。


もうその笑い声すらドキドキする燃料になってしまって困る。



「あははっ!なにそれどういうことー?」



また教室の近くから人の声が聞こえて緊張が走った。


大丈夫……!

一瞬ちゅってしたらいいだけ……!


そう思いたいのに目の前にいる瞬はいつにも増してかっこよくて。



「め、目つむって……!」



シャツを握ってそう言うと、「ん」と素直に従ってくれた。
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