君をトリコにする方法
「……」

「……」


澪も吉川くんも少し冷静になった……かな?


ふたりとも普段からキレやすい人なんかじゃない。


それどころかしっかり者で、クレバーな人たちだ。


そんなふたりが怒ってしまうということは、それなりの理由があるっていうことだろうから。



「澪……」



右手を伸ばして澪の手を今度こそぎゅっと握った。


こういうときなにも上手いことは言えないけど、でもそばにいることはできる。



「……あー、ごめん。希帆、優愛。それと……瑞稀も」


「……僕も、ごめん」



ふたりともうつむいてて目を合わしていなかったけど、その声はしっかり届いた。


口を開いたとき、ちょうど昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。



「え、ええっと……いっかい座ろっか……?」



正直ふたりのことが気になってしょうがなかったけど、先生もやって来て仕方がなく席に着く。


その時間の授業はクラスメイトみんなが気まずい空気で、先生が明るくしようと必死だったのがまた辛かった。
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