かこみらい。
「1名様ですね。どうぞー」

「……え?」



今、お姉さん、『1名様』って言った?

私、雄太くんとジェットコースターに乗るんだけど……。



「あの、2人なんですけど」



私がお姉さんに声をかけると、お姉さんは不思議そうな顔をした。



「えっと、お連れ様はどちらに?」

「隣にいるんですけど」



隣を振り向くと。



「えっ、」



雄太くんの姿がなかった。

辺りを見回しても、雄太くんがいない。

雄太くんらしき人も見つからない。



「雄太くん!?」



返事もない。

私は慌てて、列から飛び出た。



「お客様!?」



人の流れに逆らうようにして雄太くんを探す。

だけど、雄太くんが見つからない。


なんで!?

雄太くんとさっきまで話していて。

写真も撮ろうとしていて。

そしたら携帯を落として。


それで、そこから……。

……雄太くんの姿を見ていない。
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