かこみらい。
「朋香」

「うん……?」

「ごめん」

「え?」



真美ちゃんが私の前で手を合わせて謝っている。


どういうこと?

なんで真美ちゃんが謝るの?


その言葉を遮るように真美ちゃんが言葉を続けた。



「それ、VRメガネなの」

「ぶいあーる?」



聞きなれない単語に私は首をかしげる。

VRって、なに?



「そのメガネ、写真保存アプリと連動しているの」

「……どういうこと?」



意味が分からない。

写真保存アプリと連動?


私の頭が混乱する。

おかげで涙も止まってしまった。



「アプリに入っている写真の映像が、メガネに映るのよ。まるで、その瞬間を体験しているようにね」

「それって……」

「朋香が体験していたのは、写真の世界の中。……つまり、過去」



真美ちゃんの言葉は残酷すぎた。

今まで、雄太くんと過ごしていた時間はニセモノだって言いたいの?

私は過去にとらわれていただけだって言いたいの?
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