かこみらい。
「朋香」



真美ちゃんが私の名前を呼ぶ。

その声は、いつもと違う感じで。



「朋香は過去に囚われているだけだよ」



冷たかった。



「真美ちゃん……?」

「これ、見て」



真美ちゃんから差し出されたのは、携帯だった。


真美ちゃんの携帯?


携帯を受け取れば、そこには沢山の写真が並んでいた。

そこには、私と雄太くんが付き合っていたときの姿があった。


どう見ても、これは。



隠し撮り。



受け取った携帯の画面をスクロールしていけば、写真が新しい日付のものになっていく。

なんで、真美ちゃんが。

私たちを隠し撮りしているの……?


顔を上げれば、勝ち誇ったような真美ちゃんがいた。



「勘違いしてるみたいだけど、VRメガネと連動していたアプリは、私の携帯のアプリよ」

「……え」

「朋香が携帯を落とした瞬間に、VRメガネとアプリの連動を切った。……この意味、分かる?」
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