かこみらい。
「あー。朋香に紹介するわ」



真美ちゃんはそう言って雄太くんの腕に、自分の腕を絡めた。



「私の彼氏の雄太だよ」

「え……」



2人の仲の良さを見せ付けられているようだった。

真美ちゃんと雄太くんは付き合っているの?

いつから……?


問うように雄太くんに視線を向けるが、視線が合うことはなかった。



「私が雄太の家庭教師をやり始めたときだから、3ヶ月くらい前?」



3ヶ月前って、私と雄太くんが別れた頃だ。

それに、真美ちゃんが雄太くんの家庭教師だなんて知らなかった。


ショックが大きすぎて、言葉が出てこない。

私、騙されていたんだ……。



「そういうことだから。朋香も遊園地楽しんでね」



最後に、にこりと微笑んでから、真美ちゃんは雄太くんと歩いていく。


その後姿は、悔しいほどお似合いで。

そう思ってしまう自分が嫌になった。



もう、誰も信じない。

私はかけていたメガネを取って、ぽとん、と地面へ落とした。


パキン。

メガネが割れる音が響く。

もう、あなたに用はない。


私は割れたVRメガネを残して、遊園地をあとにした。


もう、過去には戻らない。

END,
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