かこみらい。
「メガネ、直るの?」



そっと、真美ちゃんに耳打ちする。

だって、直るようには思えない。

割れて粉々になっているんだもん。



「大丈夫よ」



そう言って、ウインクをする真美ちゃんはやっぱり美しかった。



ピロロロロ。

下り列車が来る合図が鳴る。

あ、電車が来た。

土下座をしていた男の子も含めて、私たちは立ち上がった。



「駅のホームで楽しむのもいいけど、気をつけなさいよ」



その言葉を残して電車へ乗っていく真美ちゃんのあとを慌てて追う。

電車の中は混雑していて、会話なんて出来る環境じゃなかった。


私のメガネ……。

どうなるんだろう。
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