かこみらい。
3駅過ぎたところで、電車を降りる私と真美ちゃん。

メガネがなくてぼやける視界の中、家までの道を2人で歩いていく。

しばらく歩いていると、真美ちゃんが小さな公園の前で立ち止まった。



「朋香。さっきのメガネのことなんだけど」

「あ、うん」



真美ちゃんは、レザーのおしゃれな鞄の中からメガネケースを取り出した。



「これ、うちの新作のメガネ。試作品でもらったからあげる」



真美ちゃんから手渡されたのは、茶色のシンプルなメガネケースだった。

メガネケースを開ければ、黒ぶちのメガネが入っていた。



「私がもらっていいの?」

「もちろん。私、コンタクトだし」



そう言って真美ちゃんは微笑んだ。



「ありがとう」

「度数が合わなかったら、調整するからね」



じゃあ、またね。

真美ちゃんは、手を振りながら公園の角を曲がって歩いていった。
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