かこみらい。
あの日から雄太くんと関わることが多くなった。

雄太くんと出会った駅のホーム。

ホームで今までのように笑顔を向けてくれる。

混雑した電車の中。

雄太くんと密着してドキドキが止まらなくなる。

背の低い私が、人に押しつぶされるのをかばうように雄太くんが目の前に立ってくれる。

私の心臓の音、聞こえていないかな。



「朋香は相変わらず、小さいな」



耳元で囁く雄太くんはずるい。

私の鼓動を早くする。



「雄太くんが大きすぎるんだよ」

「まあ、バスケやってるからねー」



いじわるく笑う雄太くん。


ああ。

なんでこんなに近くにいるのに、触れることができないんだろう。

雄太くんのことがこんなにも好きなのに。

一度別れたら、触れることも許されないんですか……。


雄太くんに触れたい私。

理性を保とうとする私。

葛藤で胸が苦しくなる。
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