ハツコイぽっちゃり物語


緑に囲まれた場所にどこか懐かしさを覚える。


ここは公園?
そう思ったのは近くにブランコが見えたから。


そうだ。思い出した。ここは恋ちゃんとよく遊んでたところだ。なんでここに私は立っているのか不思議に思うけどなぜか『これは夢の中だ』と断言できた。


それは1m先に幼き頃の私と恋ちゃんが居たから。


近くに行こうかと思ったけど体がその場から動かなくて、でも声だけは響いて聞こえてくる。


『れんちゃん』

『なぁに?ちさちゃん』

『あのね』


砂場で山を作っている最中、手を止めた幼い千桜(わたし)が恋ちゃんの近くに寄り添って耳元に口を近づけた。いわゆる、こしょこしょばなし。

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