ハツコイぽっちゃり物語

「恋ちゃん、ごめんね」


私のこといつも助けてくれてたのは、
ずっと私の傍にいてくれてたのは、
私のことを好きだったからなんだね。

恋ちゃんの事だから約束だって覚えてるよね。


そっとベッドから降りて、近付く。
静かに寝ている彼の頬を撫でてみた。
……やわらかい。



「ごめんね。叩いちゃって」

痛かったよね。
ごめんね。


私は最低だ。
先輩をずっと好きでいるってあの日、『距離を置こう』て言われた綺麗な星空に誓ったのに。

その気持ちを忘れたわけじゃない。
無理やり消したわけじゃない。

ただ……。


蘇ってしまった。
溢れるくらい好きだったあの頃の気持ちが。


こんな身勝手な私を許してもらえるなら、
もう遅いかもしれないけど、
もう一度、恋ちゃんに恋してもいいかな。

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