ハツコイぽっちゃり物語

今日は絶望するんじゃないか、この世の終わりに思えるような日になるかと思ったけど、タネ明かしを聞いて泣くこともなく、笑顔でいられていることが何より嬉しい。


単純といえば単純かな。

許し合えるってなかなか難しいことだけど、ちーちゃんだからこうしていつも通り居られてるんだと思う。


「ちーちゃんも好きな人できたら私たくさん応援するからね!」

「ハッ、なにそれ。余計なお世話だよ。そもそも男嫌いだし。無理。一生要らないね」


ため息をこぼした彼女は“帰ろっか”と立ち上がって歩きだす。
私はその背中を追いかけてちーちゃんの隣を歩く。


夕日に照らされ造られた私たちの影がくっついたり離れたりを繰り返すのを見て思う。


ちーちゃんが親友で本当によかった。出会えてよかったと――。

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