ハツコイぽっちゃり物語
素敵な金曜日
毎週金曜日は私にとって素敵な一日となる。
こんなに待ち遠しいと思うなんて好きな作家さんの小説が発売される日以外ないと思っていた。
けどあったね。
先輩に会うのは毎回ドキドキするけど嬉しいが勝つ。
毎週会っているお陰でだいぶ普通に話せるようになったし、ちょっとずつ進歩してて偉いぞ私!
と日々の終わりに褒めてしまう。
ちーちゃんからは『最近の千桜はほんと面白いくらい幸せそうだよね』とも言われる。
幸せだ。
だって毎週金曜日には必ず先輩に会えるんだから。
そしてスマホを見るたびに顔がほころんでしまう。
なんと葵生先輩のLINEをゲットしちゃったんだ。
スマホの故障には注意しなきゃいけない。
だからバックアップは常にするようになった。
「まーた見てんのスマホ。もうお昼だよ」
目の前にはお弁当を掲げてるちーちゃん。
「もうずっとだよね。まあ嬉しいのは分かるけど見すぎ。それに今日でしょ図書委員」
「うん!幸せ〜」
「いや答えになってないから」
ちーちゃんは苦笑して玉子焼きを口に運んだ。
私もお弁当を広げて食べ始める。
あ〜早く放課後にならないかなぁ……。
先輩はいま何食べてるんだろう。
はやく会いたい。