ハツコイぽっちゃり物語

図書室の王子様


「では、図書委員は米倉さんと佐波さんでいいですか」

静かな教室に学級委員の声が響く。

パチパチとまばらな拍手にほっとした。


よかったぁ。今年も図書委員だ。
また先輩に会える!

そう心の中で何度もバンザイをする。


きっと今の私はお花がチラついてるだろう。

チラつく程度じゃないか。盛大にか。

しかたないじゃん嬉しくて堪らないんだもん。

あ〜、今年も先輩の姿拝められる!
嬉しいな。


私の嬉し度が上昇していくと、夢から覚めたかのようにハッとする。

委員会決めが終わるまでずっとこの調子じゃ、ちーちゃんにまた言われちゃうな。

絶対言われる。
たぶん、じゃなくて
きっと、言いたくて仕方ないかもしれない。

だって後ろからの視線が痛いくらい伝わるもの。

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