ハツコイぽっちゃり物語
「千桜わかり易すぎー」
HRが終わって早々、後ろから“ちーちゃん”こと、米林千秋ちゃんが私の肩をぽすぽす叩きながら言う。
「そんなにだった……?」
「そうにしか見えないよあれは。物凄い嬉しいオーラ舞ってた。私にはバッチリ見えた」
「だってー」
「はいはい」
赤らめて言う私にポンポンと頭を撫でるちーちゃん。
肩ぐらいまである髪に綺麗な顔立ちの彼女はこの通り美人の類いのひとりなのだけれど
結構、男っぽい。
言うことはハッキリ言うし、サバサバしてるし
なんで私なんかと一緒にいてくれるのか分からなかった。最初は。
入学してはじめて声を掛けてくれたのがちーちゃんだった。
なかなかクラスに馴染めず1人で読書してる時だった――。