ハツコイぽっちゃり物語

《ちょっと早口すぎて分からないからゆっくり落ち着いて言って》

「あ、ごめんね。……ふぅ……だからね、先輩から貰ったの」

《何を》

「先輩のバイト先のクーポン券」

《おお!やったじゃん凄いじゃん。おめでとう》

「ありがとう!でね2枚貰ったからちーちゃん一緒に行こ!」


そこまで言ってやっと息をついた。
興奮した勢いでずっと喋ってたから体が暑い。
窓を開けると涼しい風が入ってきて私を落ち着かせる。


《いいよ》

「やった!ありがとうちーちゃん。じゃあ明日行こう」

《……ねえ、あのさ千桜。もしかして忘れてるなんて言わないよね?》

「え?」


ちーちゃんは大きくため息をついた。
いや、呆れてるのかもしれない。

明日なにかあったっけ?
少し考えてみても答えは見つからない。
でもちーちゃんの一言で現実に引き戻されたような感覚に襲われたのは確かだった。

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