ハツコイぽっちゃり物語
chapter2

変化


中間テストも後半戦に入り、あと2日頑張ればご褒美が待っていると毎日テスト勉強に励んでいる私、米倉千桜(よねくらちさ)ですが、最近ちょっと困ってることがある。


困ってるっていうか、ちょっと変。
恋ちゃんの様子がちょっと変。


小学生から変わらず毎日一緒に登校している私たちだけど、下校は別々で友達と帰ったり、1人で帰ってることが多い。


恋ちゃんからたまに「帰ろ」って言われるときは一緒に帰る程度。


だけど、ここ最近毎日一緒に帰ってる。
別に嫌とかそんなんじゃないよ。ちーちゃんもいるし。
それにしても急だからちょっとびっくりしちゃって……。


たぶん一緒に帰るのはこの1週間(テスト期間中)だけだと思う。


早く帰って勉強しなきゃだし。
私も浮かれてサボってた期間を埋めないといけないし。
早く帰って1人で勉強!

そう思ってたんだけど……――。



シャーペンが紙を走る音。
カチカチとシャーペンの芯を出す音。
時計を刻む音。
それぞれ静かな空間に響く。


目の前の人物は数学と格闘している様子だけど、すぐにペンを走らせて解いていく。


なんかこんな近くで恋ちゃんを見るのは久しぶりだ。
手は骨張ってて大きい。
鼻筋もしっかりしてて……――。

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