ハツコイぽっちゃり物語

どこへ行ったのかも分からない2人を探す。


放課後の教室はよく吹奏楽部や軽音部、漫画研究部などの文化部が空いてる教室を使っていることが多い。


まあ、探せば見つかるか。

半ばちーちゃんたちを軽く恨めしいと思い広い校舎を歩く。


思いのほかいとも簡単に見つけられたのは先輩らしき声が聞こえたから。


ランチルームの上の階。その東棟にある一番端の教室。
そこから先輩と恋ちゃんの声が聞こえる。


ここまで来ると何を話しているのか気になってしまうから足音を立てずにドアに身を寄せた。


教室のドアってなんで窓があるのだろうと前から不思議に思ってたけど、今回はじめて分かった気がする。


そこから少し目を覗かせて私は2人をみた。


先輩は窓際に寄りかかって外を見ている。やや夕日が顔に当たって表情は見えないけど、穏やかそうにみえた。



恋ちゃんはこちらに背を向けて立っているから表情は分からない。でも何かに耐えてるような、そんな感じがした。

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