何色にも変われるきみ

そう言った和香の顔は、真っ赤になっていた。でもそれと同時に、今までにないくらい笑顔で、幸せ以外の何物にも見えなかった。

その瞳もさっきとは違い、淡く綺麗なピンク色をしている。これは和香の恋の感情なのだろうか。そうだったら僕は一生に一度しかないこの恋を幸せに過ごすことができそうだ。

「ねえ和香、もうちょっとこっちに来てくれない?」

「ん? わかった。……っ⁉」

彼女が近寄ると、僕は思い切り抱きしめた。今はたたかれようが殴られようが、この幸せに浸っていられそうだ。

ずっとそうしていたら、最初は慌てていた和香もおずおずと背中に手をまわして抱きしめ返してくる。

ああ、やっぱり僕は幸せ者だ。

そう思いながら、どちらからともなく甘いキスをした。

END
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