秘密主義の楓くん
お迎え
その日の昼休み、中庭で智美とお昼を食べていると
「好きです!付き合ってください!!!」
中庭にある大きな木の下で、女子生徒が男子生徒に告白をしていた。
うちの学校ではこの木の下が、告白スポットになっている。
「ごめん」
男の子はそう一言だけ言い残して、校舎の方は向かって行く。
「あららー、まーた告白されてるよ、楓くん」
ん?
さっきの男子生徒、楓くんなの⁇
「またって?」
「え⁉︎夏生知らない⁉︎
楓くんって、結構女の子から人気があるんだよ。だからああやって告白されることもしばしば」
へぇー、知らなかったな
「私、同じクラスになって数ヶ月経つけど、全然楓くんのこと知らないなー」
話すのもさっきが初めてだったわけだし。